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言えない秘密
赤座海老。この海老を聞いた事が御座いますか?
フランス料理だとラングスティーヌ。イタリヤ料理だとスカンピと呼ばれ西洋料理の
世界ではポピュラーな海老です。
この海老が主に水揚げされるのは関東だと三浦半島は長井漁港、小田原、静岡が主な水揚げ産地です。
僕は毎朝、長井漁港で仕入れをしております。
そんな僕にとっては、赤座海老は、珍しくはない素材でしたが、あるとき、ふと。
なぜ三浦半島には、多くの漁港があるのに長井漁港でしか水揚げされないのであろう・・・
同じ海なのに・・・。
ならば直接、漁師さんに聞いてみようと思い立ち、井戸隠居丸の嘉山さんを訪ねました。
訪ねましたと今、簡単に言いましたが、普通、漁師さんと、お話出来ると言う事は希ですよ。
普通に訪ねても話してはくれません。
漁師の世界では世間話はしても仕事の話をするのはタブーです。
そう。漁師の仕事とは秘密主義なのです。秘密を守る事は漁師の重要な仕事です。
海は、漁業権がある範囲以内でしたら誰の海でもありません。
野菜農家なら、この畑は私の畑ですよ。と言えるが、海は違います。
どこら辺に、籠を仕掛ければ捕れるかは口が裂けても言えない秘密。
どのように、どうして捕れば沢山捕れるかも秘密。
秘密を守る事が漁師の一番大切な仕事なのです。
だから漁師から話を聞くと言う事は大変な事なのですよ。
テレビ番組で漁をする場面をよく目にするが、あれも本当の事は言っていないと言う・・・。
さて。赤座海老は水深300m以上の深海に生息しております。
長井漁港でしか水揚げされないのは、一つに海の深さが関係しているようです。
海の表面は、どの漁港からも同じ風景だが海の中の風景は違うと言う事ですね。
深海にイワシを入れた籠を一本のロープに150個ぶる下げ約1.6kmに渡って張っていきます。
一つの籠の直径は約1mはあったであろうか・・・。
ちなみに、その一本の仕掛けは数百万円するそうだ。
誤ってその仕掛けが流されたら数百万円が飛ぶ。
そこまでのリスクを背負ってまでも、この漁をしようとする者が少ないと言うのも産地が少ない理由の一つであろう。これは正にバクチの世界です。
その張っていく。つまり籠を思った所にピシャリと下ろしていく事がプロの技らしい。赤座海老が居ない場所に籠を下ろしても捕れないですからね。
海面の潮の流れ、海中の潮の流れを呼んで籠を下ろしていくのは経験がないと出来ない。漁は、まだ日が昇る前に船を出す。
嘉山さんは、決して寝不足で仕事をしないようにすると言っておりました。
夜明け前、大きな船も小船も魚場を目指し出港して行く。
視界が充分ではない夜明け前の海で、事故だけは避けたい。だから寝不足では絶対に仕事はしない。聞けば当り前の事だが、そこまで考えて漁をする姿勢に頭が下がる思いだ。
船員は4名。それだけ人手が掛かると言う事だが、もう一つの理由は事故防止。
一人で漁に出て、ロープを下げていく際に体に巻き込まれ死に至った漁師も何人か居ると言う。
一人では危険な仕事。
漁師とは本当に命懸けの職業です。
多々、赤座海老の産地は、あるが三浦長井漁港の嘉山さんが捕る赤座海老は天下一の
赤座海老と僕は思う。
いや、おせいじではなく、嘉山さんは、まず海老が傷付かないように大きなリスクを抱えながらも籠で漁をする事。
それに水揚げされた赤座海老を3回もの選別を行っている。脱皮した赤座海老や小さな赤座海老はリリースし良い赤座海老だけを水揚げする。他の産地では、底引き網や刺し網で赤座海老漁を行っています。
やはり、三浦長井漁港の赤座海老に勝る赤座海老はないであろう。
嘉山さんに聞いてみました。
赤座海老の一番、美味しい食べ方は?ルイベ。赤座海老の表面のみを凍らせて食べるのが一番美味しいと言っておりました。そして赤座海老は1日、置くと甘味が増して美味しいそうですよ。
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